現在、国の医療政策、経営者の高齢化によって、病院の閉院や統廃合が進んでいます。病院数では2000年から2014年にかけて700施設以上、年間で50施設以上が減少している一方、診療所の開設数は増加しており、全国の診療所数は10万件を超え、競争が激化しています。
国は、団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをする2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しています。病院完結の医療から地域完結の医療への転換を図り、それぞれの地域の医療需要と供給のバランスを取りながら地域の状況に合致した良質で効果的な医療提供体制の構築が早急に求められています。
社会保障費の伸びの抑制、急速な高齢化と人口減少が進行している現在の医療経営環境下においては、今まで「医療は病院が担うもの」という常識は近い将来、過去のものになり、当然のことと考えられていた認識や価値観などが劇的に変化する医療のパラダイムシフトが起こります。その過程で医療機関のM&Aは今後増加するものと私共では予想しています。
医療提供体制の変化、診療報酬改定、建物の建て替え、資金調達等、事業を継続していく上で検討しなければならない項目はたくさんあります。そしてその最大のポイントは誰に継がせるのかという事業承継対策です。この事業承継対策を検討した結果、子供が医師であっても、親の病医院を承継せず、M&Aを選択するケースが増加しています。
適切な企業間のM&Aは、譲渡企業・譲受け企業の各関係者に大きなメリットをもたらします。
M&Aによってできること
- ・譲渡対価の受取り
- ・個人保証担保からの解放
- ・引退後の自由な時間
- ・経営面のストレスからの解放
- ・既存事業の再成長・経営の効率化
- ・職員の確保
- ・増患等による売上改善
- ・新規分野への算入
- ・職員の雇用継続
- ・地域医療の継続
- ・新規雇用の創出
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