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経営計画を作ろう2

経営計画を作ろう2

 今回は中長期計画について解説します。中長期計画は自院の将来の進むべき方向を示します。5年、10年先の未来の目標を明示して、その目標達成のために今、何をなすべきかを明らかにします。中長期の将来を念頭に置きながら今年1年の目標(短期計画)を考える場合と、はじめから1年先しか考えない場合とではその内容に大きな差が出てきます。数値については短期計画のような詳細な数値ではなく大まかな目標数値でも構いません。中長期計画の作成に当たって注意してもらいたいことは、計画が何年後かの売上や利益目標といった数値だけの計画になっていないか、ということです。その目標を達成することで病医院、院長先生はじめ職員、そして医療というサービスの提供をうけるその地域は現在とどのように変わっているのか、どんなメリットがあるのかが関係者に明確に示されていなければその経営計画は文字通り計画倒れになってしまいます。

医療制度改革や診療報酬のマイナス改訂など近年、病医院を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。以前と同じように、一生懸命診療しているのに以前より収益が下がってきたと感じておられる先生方もおられると思います。しかしそのような状況の下でも増収、増益を成し遂げている施設も多くあります。そうした病医院に共通していることは、

  • 1.院長先生の熱い想いや志を込めた明確な経営理念と将来のビジョンがあり、それらが職員に浸透している。
  • 2.その理念・ビジョンの下、掲げられた目標を達成すべく経営戦略がたてられている。
  • 3.それをさらに日常行動に落とし込んでいく。

という一連の流れが確立されており、理念を具現化する経営計画に基づいた経営がなされています。経営計画を進めていくためには、院長先生だけのものでなく、病院・診療所のスタッフ皆さんで共有できるものでなくてはなりません。まとめると

  • ・経営理念を通して自らの組織の存在意義が明確になっており、わくわくする夢と経営ビジョンを持っている
  • ・夢と経営ビジョンを実現するための経営戦略を持っている
  • ・経営理念とビジョンが院内、ときには地域に浸透している

というふうになります。

 組織にはその組織の存在価値や社会的な意義、目指すべき理想の状態があります。これを明文化したものが理念であり企業においてはそれを「経営理念」といいます。医療機関はその性質上、公益性・公共性が高く、社会貢献・地域貢献を経営理念に掲げられていることが多く見受けられます。経営理念が確立すると、判断や行動の指針が安定するので路線が一貫します。最近は医療機関同士の競争が激しく、開業当初は経営が苦しいため、日曜日も診療しておられたところが、軌道に乗った途端に日曜日の診察を止められるようなケースが見受けられます。色んな事情はあるかと思いますが、患者さんはそのような姿勢をどのように思われるでしょうか?一度、経営理念を拝見したくなります。今後医療を含めた社会保障制度全般が厳しい状況におかれることが予想されるなかで、理念無き、または有ってもお題目だけの経営は淘汰の憂き目にあうことになると思われます。

病医院経営の本質は崇高な経営理念を具現化していく営みです。そのためには、これから数年後の未来を具体的に「このようになっている、こうありたい」と思う姿をイメージ化できることが必要です。自分達の属している組織はどこに向かっているのか?その中で自分はどうなっているのか?というビジョンが明確でなければ方向が定まりません。またそのビジョンは実現の可能性のある、心躍るわくわくするものでなければ、スタッフの心を一つにまとめることはできません。経営ビジョンとは経営理念に基づいて、将来こうありたいと思う姿を表現したものであり、将来に対する方向性を明確に表現したものです。 将来(ビジョン)から現在を見つめなおすことで経営課題が見えてきます。経営戦略とは経営ビジョンを実現するための手段で、現状からビジョンへと誘うかけ橋です。この経営戦略を具体化したものが「経営計画」で、何をなすべきかという行動計画と、その結果どうなるかという数値計画からなっています。

経営戦略をたてる際によく用いられる手法として、SWOT分析があります。SWOT分析はStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとったもので、自院の内部状況と自院を取り巻く外部環境を分析し、自院の強み、弱み、機会、脅威の総合的な評価を行います。自院の強み、弱みといった内部要因と、市場や患者獲得の機会、脅威といった外部要因をマトリックスにして分析し、自院の長所と短所、外部環境が追い風(チャンス)か、向かい風(ピンチ)か、を明らかにし、目標とする課題、克服すべき課題を明確にします。

自院
(内部環境)
強み(Strength) 弱み(Weakness)
他の病医院と比較して、自院の方が優れている点。また他の医療機関と比較して差別化できている要素。 他の病医院と比較して、自院の方が劣っている、または今後改善していかなければならない点。内部で抱えている問題。
市場
(外部環境)
機会(Opportunity) 脅威(Threat)
社会環境の変化などが、自院にとって追い風やチャンスになる要素。 社会環境の変化などが、自院にとって向かい風や不利になる要素

こうして分析をしてみると多くの問題、課題が出てきます。しかし、経営資源が限られているため全てを解決することはできません。「強み」「弱み」は、いずれもこれまでの経営努力の結果であり、「弱み」についてはすぐに改善することは一般的には難しいと考えられます。そこで、まず「強み」を生かす方法を考えることが、限られた経営資源の有効な活用になります。折角の「強み」を「強み」と気づいていないケースもあります。また、「強み」だと思っていたことが、環境の変化により、「強み」ではなくなっているケースもあります。それぞれの状況を認識できてはじめて経営資源の投入どころが明確になります。
SWOT分析によって整理した自院の「強み」、「弱み」、自院を取り巻く環境の「機会」、「脅威」の4つを組み合わせて分析することで、今後の戦略を立て、さらに自院が将来、どの方向に進むのかというビジョンを策定することができます。

機会(Opportunity) 脅威(Threat)
強み(Strength)  ① 積極的に攻勢に出る  ② 差別化戦略をとる
弱み(Weakness)  ③ 弱みを改善する  ④ 撤退する

上記のように分類することで

  • ①自院にとって強い分野でかつ市場ニーズもあり、取り込める分野は何か?
  • ②自院の強みが外部からの脅威に勝る分野は何か?
  • ③自院の弱みを克服できれば参入できる分野は何か?
  • ④取り組むべきではない分野は何か?

を明確にすることができます。

 一般に医療機関、特にクリニックにおいては経営理念やビジョンが全く無いか、有っても形だけのもので、職員はだれも知らないという状況が多くみられます。また、医師、看護師、薬剤師等の医療専門職は、組織に対する帰属意識より、自らの職業観を優先しがちです。どれだけ素晴らしい経営理念やビジョン、戦略があってもそれが職員に浸透せず、一つの方向を向いていなければ、力にはなりません。逆にそれぞれの職員が向かう方向を一つにし、一体化できた組織は大きな力を発揮します。

昨年の診療報酬・介護報酬の同時改定では、地域包括ケアシステムという名の下、2025年に向けて医療と介護が包括的に提供されていく、という方向性が示されました。今までのような他院との競争関係ではなく、今後はその地域で、他院との共存のなかで自院のポジション(立ち位置)を見極めて、その役割を確立していかなければならない時代になります。2025年にむけてその地域の特性を踏まえ、地域は何を求め、それに対して自院はどう対応できるのかを再確認していく必要があります。中長期的な視点に立ち、今後の進むべき道を見極め、環境変化に対応する組織づくりが求められる中、是非、中長期計画を作成して、自院の進むべき方向を確認して下さい。

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